伊藤英明さんの土方歳三って、どう?

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浅田次郎さんの『輪違屋糸里』を読み終えた。輪違屋糸里って聞いてピンとくるのは、相当な新選組通だと思う。新選組の局長芹沢鴨が暗殺されたときに、隊士の平間重助と一緒にいた島原の芸妓の名前である。

輪違屋糸里 上 (文春文庫)

輪違屋糸里 上 (文春文庫)

輪違屋糸里 下 (文春文庫)

輪違屋糸里 下 (文春文庫)

この作品は、芹沢暗殺をテーマに描いたミステリータッチの時代小説である。しかし、そればかりでなく、島原・輪違屋の芸妓・糸里を中心に、新選組隊士平山五郎の恋人である芸妓・吉栄、西陣の太物問屋菱屋太兵衛の妾で芹沢鴨の愛人・お梅、新選組が屯所としていた八木家の女房おまさ、同じく屯所となった前川家の女房お勝ら、女性たちにスポットを当てて描かれた女性版の新選組である。

新選組隊士の吉村貫一郎の苛烈な生と死を描いた『壬生義士伝』と対になる浅田新選組の第二弾である。文芸評論家の末國善己さんが解説で指摘されている通り、自分の命を賭けて子どもを産む女性の側から幕末の価値観を描いたことで、生命の尊さを痛感させる、前向きな力強さを感じさせる作品になっている。

壬生義士伝 上 (文春文庫 あ 39-2)

壬生義士伝 上 (文春文庫 あ 39-2)

壬生義士伝 下 (文春文庫 あ 39-3)

壬生義士伝 下 (文春文庫 あ 39-3)

 昂りも怒りもなく、そうすることがまるでさだめのように語る糸里が哀れであった。世の男すべては、女のやさしさを食ろうて生きている。ままごと遊びのたわむれのころから女がみな持ち合わせている母の情を、世の男どもはわが身の僥倖と信じて、甘えつつ生きている。

(『輪違屋糸里』上巻・P.348より)

浅田さんの名調子と、ドラマ構成の見事さが堪能できる作品である。

文庫版の帯に上戸彩さんと伊藤英明さんの写真があるように、TBS系でドラマ化される。ネットの情報によると、伊藤さんが土方をやるそうだ。それまではNHKの大河ドラマの印象が強くて、山本耕史=土方歳三って感じだったが、帯の写真を見ながら読み進めていたら、伊藤さんの土方もなかなか適役ではないかと思えるようになった。武士になり切れない多摩の百姓という不器用な感じをうまく演じられそうな気がする。その他の配役は以下のブログに書かれている。

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