風野真知雄さんの『八丁堀同心殺人事件』を読む。南町奉行根岸肥前守鎮衛(ねぎしひぜんのかみやすもり)を主人公とした、『赤鬼奉行根岸肥前』に続く、捕物帳「耳袋秘帖」シリーズの第二弾である。根岸肥前守は、江戸時代の怪奇な話を綴った『耳袋(耳嚢)』の著者としても知られている。
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今回収録されている話は以下の通り。
第一話 緑の狐
第二話 河童殺し
第三話 人面の木
第四話 へっついの幽霊
第五話 鬼の書
それぞれのお話と並行して、物語全体では、町奉行所の同心が二人、八丁堀の組屋敷で何者かに斬り殺される事件が起こり、その犯人探しが描かれていく。
『耳袋』を読んでいないので正確なことは言えないのだが、「耳袋秘帖」シリーズでは、『耳袋』に掲載された話に題材を取っているように思われる。そして、根岸肥前守は怪奇現象が大好きだが、怪奇なことを不思議ととらえるのではなく、なぜ、起こったのかその背景を推理し理解しようとしている。「この世に不思議なことはない」という考え方に近い。根岸肥前守の練れたキャラクターと推理が楽しいシリーズである。
ともかく、時間を作って『耳袋』のほうも読んでみたいと思う。
耳嚢で訪ねるもち歩き裏江戸東京散歩―古地図ライブラリー別冊 (古地図ライブラリー (別冊))
- 作者: CTE,竹條創
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コメント
読みましたぁ 赤鬼奉行根岸肥前! 私の 新しいヒーローに加えまする。
御付きの二人も イイカンジです。 鬼平とは、全く違う味を味わいました。