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勢いが止まらない「居眠り磐音江戸双紙」

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今朝、何気なくTVを見ていてビックリした。おばあちゃんの語りで始まる、佐伯泰英さんの「居眠り磐音江戸双紙」シリーズ最新作『野分ノ灘』『鯖雲ノ城』のスポットCMだった。朝刊にも大きなスペースで新刊告知があり、メディアミックスによるプロモーション展開といったところだろうか。

野分ノ灘 ─ 居眠り磐音江戸双紙 20 (双葉文庫)

野分ノ灘 ─ 居眠り磐音江戸双紙 20 (双葉文庫)

鯖雲ノ城 ─ 居眠り磐音江戸双紙 21 (双葉文庫)

鯖雲ノ城 ─ 居眠り磐音江戸双紙 21 (双葉文庫)

このシリーズがすごいのは、時代小説ファンばかりでなく、今まで時代小説を読まないというか、本そのものをあまり読まない人まで、読者にしているところである。その要因は何だろうか?

1.明朗快活で剣の名手の主人公がチャンバラを使って活躍する、痛快なストーリー

2.1巻が5話程度の短めながら、起承転結がはっきりしている話で構成されていて、ボリュームが適量

3.連作形式で構成されながらも、全体でゆるやかに物語が流れていて、作品の世界に浸れる

4.脇を固めるキャラクターがしっかりと描かれていて、物語の奥行きをつくっている

5.小藩の家老の嫡子ながら、藩の抗争の犠牲で親友を失い、許婚を苦界に落としてしまった悲劇をもつという主人公像。貴種流離譚の一種で、主人公への共感を覚えやすい

6.江戸・深川など、江戸情緒があふれる場所が舞台で、年配の方に郷愁を与える人情を描いている

7.シリーズでは、江戸ばかりでなく、主人公の故郷の九州や江戸周辺の各地も描き、単調にならないように工夫されている

8.活字が大きくて読みやすく、ページがどんどんめくれるので達成感がある

9.シリーズタイトルが「○○ノ×」(○○は季節感や風情のある修飾語、×は場所などを表す一般名詞)という形で統一されていて、目新しい

10.作品のオリジナルグッズプレゼントキャンペーンや新聞広告や書店店頭での陳列などでのプロモーション展開のうまさ

つまり、物語自体が文句なく痛快な上に、子どものころにチャンバラ映画(時代劇)に胸躍らせた年配のかたに共感を与える物語設定がされている。しかも、出版社側でその面白さを読者に伝えようと努めていることが考えられる。

ともかく、早く新作を読みたいと思う。

追記:2007/1/14

TVCMについては、サラリーマン編も放送されてました。

コメント

  1. のじ より:

    こんにちわ。久しぶりの投稿です。
    TVCM見ました。驚きですね。私もサラリーマン編のようにハンバーガーをかじりながら読んでましたが。。。
    今まで時代小説(もしくは文庫本も含めて)のTVCMなんて見たこと無いですよ。あるとしたらドラマ化されたものや、映画化されたもの・・・くらいですかね。このシリーズに関しては新聞広告や、グッズ等、出版社の力の入れようが半端ないですね。まぁ、2作も同時出版できる佐伯さんの筆力も半端ないですけどね。