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女の城、吉原に暮らす浪人

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上田秀人さんの『散華の太刀』を読んだ。『悲恋の太刀』『不忘の太刀』『孤影の太刀』に続く「織江緋之介見参」シリーズの第四弾である。

悲恋の太刀―織江緋之介見参 (徳間文庫)

悲恋の太刀―織江緋之介見参 (徳間文庫)

主人公は、吉原の惣名主西田屋甚右衛門の離れに暮らす織江緋之助こと、将軍家剣術お手直し役小野次郎右衛門忠常の末子・小野友悟。小野派一刀流の家に生まれながら、柳生十兵衛より柳生新陰流の秘剣飛燕の太刀を伝えられた。

今回は、浅草にある堀田家の煙硝蔵が爆発したところから物語が始まる。爆発の翌日、老中阿部豊後守の異母弟で留守居役を務める上島常也が緋之介のもとを訪ねる。爆発には、近頃老中並に格を落とされた松平伊豆守が関わっているらしいという。伊豆守の狙いとは何か、緋之介は愛する者たちを護れるのか…。

女の城、吉原に暮らす浪人というと、まず、隆慶一郎さんの『吉原御免状』に出てくる松永誠一郎を思い出す。佐伯泰英さんの「吉原裏同心」シリーズもこのパターンである。

吉原御免状 (新潮文庫)

吉原御免状 (新潮文庫)

足抜―吉原裏同心〈2〉 (光文社時代小説文庫)

足抜―吉原裏同心〈2〉 (光文社時代小説文庫)

ところで、吉原の遊女というと、現代人の視点だと風俗嬢という見方をしがちであるが、江戸の庶民の目線ではスターというかセレブに近い存在かもしれない。