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正しく生きることを思い出させる時代小説

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澤田ふじ子さんの時代小説のファンである。「時代小説SHOW」で取り上げることも多かったと思う。

澤田さんの作品の魅力は、京を舞台にしたものが多く、京の町に生きる人々の哀歓がドラマティックに描かれること。京都に在住する作家らしく、京の風物や文化が自然に物語の中に織り込まれていること。そして、現代人が失いかけている、人として正しく誠実に一生懸命に生きることの大切さを気づかせてくれることである。

『高瀬川女船頭四 篠山早春譜』も、そんな作品の一つだ。

八丈島に三年半の間、島流しになっていた平次は、別れた恋人の姿を求めて、暑い道中、はるばる江戸から胸を弾ませ京まできたが、いまでは悔いている。また一旦、酒を飲むまいと決意したものの、自分に課した掟を破り、酒を飲むのだと申して、主人公宗因の居酒屋・尾張屋にやってきた…。