昨日4月9日の17時30分ごろから19時30分ごろにかけて、「時代小説SHOW」< https://www.jidai-show.net/ >のサイトが、サーバーが不安定になる不具合が発生しました。その間、アクセスされた方には大変ご迷惑をおかけしました。お詫びいたします。
さて、幸田真音さんの『あきんど 絹屋半兵衛』を読み始めた。単行本刊行時には『藍色のベンチャー』というタイトルだったが、文庫化にともない改題した。時代小説らしからぬ最初のタイトルのほうが響きがよくて好きだ。
幸田さんというと、経済小説を得意とする作家で、TBSテレビ「ブロードキャスター」などの報道情報番組に出演されることも多くなじみ深いかただが、時代小説と結び付きにくいイメージだった。
「床山焼を断念した仁右衛門さんのためにも、わしはなんとしても彦根でやきもの商いを成功させてやるわ」
「わかりました。それならひとつだけ、うちの言うことを聞いてください。そのことを約束してくれはったら……」
「約束やて?」
「はい、商いの危険を半分に、いえ、もっと小さくする方法です」
(『あきんど 絹屋半兵衛』上巻・P78より)
彦根の古着屋の主人絹屋半兵衛が、京で大流行の磁器の製造販売をやりたいと妻の留津を説得するシーンでの会話。留津の発想は現在では当り前のリスクヘッジの考え方で興味深い。
作者の幸田さんはプロフィールによると、米国系銀行や証券会社でのディーラーや外国債券セールスを経て、作家に転身している。出身が滋賀県ということで、近江商人の遺伝子を受け継いでいるように思われる。
幸田真音さんの公式サイト
Welcome to the Main's World
- 作者: 幸田真音
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/03
- メディア: 文庫
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
- 作者: 幸田真音
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/03
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (2件) を見る