2006-03

時代小説

時代小説のソムリエ

最近、「趣味で時代小説のサイトをやっている」というと、「何か面白いおすすめの本、ありますか?」と聞かれることが多い。そんなとき即答できずに困ってしまう。私にとって面白い本はたくさんあって、一つ二つを紹介するのが難しいからだ。相手のことをよく...
IT

時代小説から少し離れて

この週末、時代小説から少し離れて、梅田望夫さんの『ウェブ進化論』を読んだ。自分にとってのこの10年間って何だったのだろうかと考えてみるいい機会になった。私がインターネットを始めたのは1995年から。それまでの仕事のあり方に行き詰まりを感じた...
作家

杉本苑子さんと江戸の水

杉本苑子さんの短篇時代小説集『冬の蝉』を読み終える。丁寧な時代考証をベースに、高い物語性で、江戸という時代と場所が堪能できる素敵な作品集である。「菜摘ます児」葛西の場所外れにある、お花の茶屋に、突然、鷹狩りの帰途の将軍家治がやってきた。白湯...
市井人情

江戸四宿の一つ、内藤新宿

内藤新宿は、甲州道中の起点として知られているが、江戸の初めから宿場町であったわけではない。元禄十一年(1698)に、それまで甲州道中の第一宿は高井戸宿だったが、日本橋からの距離が四里と道のりが長くて何かと不便だった。浅草阿部川町の名主・喜兵...
作家

杉本苑子さんの時代小説

時代小説を集中的に読み始めて10数年が経つが、その作品をほとんど読んでいない時代小説家が何人かいる。主義主張があって読書リストから外しているわけではなく、ボタンを掛け違えたように、なぜか読むきっかけがつかめないという事情だ。杉本苑子さんはそ...