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宮崎県と時代小説

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昨晩は、高校時代からの友人と久々に会った。4月から宮崎に単身赴任することになった彼を壮行して酒を酌み交わした。

異動する彼にとっても宮崎は想定外だったようだが、私も訪れたことがなくて、宮崎県のイメージというと、シーガイアと、「めざましテレビ」に時々登場するUMK(テレビ宮崎)の高橋巨典アナウンサーの親しみやすい風貌と、ドラマ「危険なアネキ」に出てきたチキン南蛮ぐらいしか思い出せなかった。(宮崎県出身のみなさん、ごめんなさい)江戸時代は何藩だったの?と聞かれてちゃんと答えられなかった。

調べてみると、宮崎県は江戸時代、日向国といい、延岡藩二万七千石(有馬家→三浦家→牧野家→内藤家)、高鍋藩二万七千石(秋月家)、佐土原藩二万七千石(島津家)、飫肥藩五万一千石(伊東家)の4藩があった。飫肥藩が最も大きく伊東家は鎌倉以来の名家であり、長らく薩摩の島津家との確執があったという。

時代小説では、松本清張さんの『奥羽の二人』に収録された「三位入道」という短篇では、日向の戦国大名・伊東義祐のエピソードが描かれていたが、ほかには思い出せない。米沢藩を復興させた上杉鷹山が、高鍋藩から上杉家に養子入りしているが、江戸で生まれ育ったはず。

ググってみたら、歴史書で『元禄期の日向飫肥藩』(永井哲雄著・鉱脈社)という本が出ている。ふすまの下張りから発見された資料を駆使して、日高浅ヱ衛門という飫肥藩の下級武士の生活を描いていて興味深そう。

宮崎県出身の時代小説作家というと、『胡蝶の剣』の高妻秀樹さんがいる。ぜひ、次は日向国の藩を舞台にした物語を書いてほしい。

夏には、新天地ががんばる彼を訪ねて、宮崎への観光もいいなと思った。

鉱脈社

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奥羽の二人 (講談社文庫)

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胡蝶の剣 (学研M文庫)

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