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江戸のキャリアウーマン

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昨日は朝起きたときからノドが痛くておかしいと思っていたら、鼻水が出てきてぼーっとした感じになり、風邪を引いてしまったようだ。仕事から帰ると、本も読まずに風呂にも入らずに薬を飲んで早めに寝た。おかげで今日は少し楽になったようだ。ブログを再開しよう。

今、北原亞以子さんの『深川澪通り燈ともし頃』に収録されている「第二話 たそがれ」を読んでいる。「第一話 藁」の主人公政吉は若き狂歌師だったが、第二話では主人公は仕立て屋のお若に変わる。お若は三十五歳で、駿府に妻子がいる綱七という薬売りの男と十八年来の不倫関係にあった。

一年のうちに三月(みつき)か四月(よつき)しか江戸にやってこない綱七への恋愛感情。仕事を持ち生計を立てられる身ながら、一人老いていく将来への不安。結婚した幼なじみとの比較。お若を通して、江戸に生きる一人のキャリアウーマンの姿を鮮やかに描いた作品である。

江戸のキャリアウーマンを描くのは北原さんならではの視点。作者には、第109回直木賞を受賞した『恋忘れ草』という江戸のキャリアウーマンたちを描いた連作短篇集があり、こちらも名作である。

深川澪通り燈ともし頃 (講談社文庫)

深川澪通り燈ともし頃 (講談社文庫)

恋忘れ草 (文春文庫)

恋忘れ草 (文春文庫)