この週末、時代小説から少し離れて、梅田望夫さんの『ウェブ進化論』を読んだ。自分にとってのこの10年間って何だったのだろうかと考えてみるいい機会になった。
私がインターネットを始めたのは1995年から。それまでの仕事のあり方に行き詰まりを感じたときに出会い、インターネットによってその後の生き方が大きく変わったといっても過言ではない。
ネットに関してネガティブな面のみを強調する日本のマスメディアやエスタブリッシュメントの論調に違和感を持ち、ネットのもつ無限の可能性に希望を抱いてきた自分としては、この本によって勇気づけられた。
仕事以外の面でも、趣味の時代小説で「時代小説SHOW」というウェブサイトを10年以上にわたって続けてこれたのも、ネットのおかげだと思う。素人の考えていることや好きなことがインターネットというインフラを使って自由に表現できる場ができ、それを見て意見がもらえるというのはとてもうれしいことだ。
『ウェブ進化論』の第五章「オープンソース現象とマス・コラボレーション」で、ウィキペディア(Wikipedia)のことを書かれていた。ウィキペディアとは、ネット上の誰もが自由に編集できる百科事典のことだが、ここでの執筆に参加することも自己実現の一つかなと思った。そうすることで、自分の知見を活用でき、ときどき歴史事典に感じる物足りなさや違和感を埋めていくこともできるわけだから。
梅田さんが著書の中で書かれていくように、今後、ブログやウィキペディア、Web2.0など、ネットをめぐる新しい技術がますます盛んになっていき、大変化が起こっていくだろう。「知」の世界の秩序の再編成がなされていく中で、その進化をまるごと受け止められる自分でありたいと思う。また、年齢を言い訳にせず、自分が何ができるのかを問い続け、やりたいことにチャレンジしていきたいとも思っている。
梅田望夫さんのブログ
My Life Between Silicon Valley and Japan
- 作者: 梅田望夫
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