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道中ものと女難剣難

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平岩弓枝さんの『はやぶさ新八御用旅 二 中仙道六十九次』を読み終えた。主人公の南町奉行所内与力の隼新八郎は、絵に描いたような美丈夫(好い男)のせいか、とにかくもてる。

本編の「御用帳」シリーズでは、妻の郁江、お奉行付きの女中お鯉、湯島の踊りの師匠・小かんに恋心をもたれているが、『中仙道六十九次』でも、女性たちにモテモテである。鷹司家の遠縁の姫で御所仕えの女官・雪路、禁裡付同心の寡婦小篠、医師岡本元斎の娘で医学を学ぶみゆきに思いを寄せられる。ほかにも想定外の人から恋われることになる。

日常生活とは違う旅を通じて、人の気持ちはどうなるのか? 旅先の風物とともに、登場人物たちの言動が楽しめるのが道中ものの面白いところ。時代小説では、これに悪漢や謎の人物が入り混じってチャンバラ劇(剣難)が繰り広げられるのが定番。『はやぶさ新八御用旅』でもそんな見せ場が用意されていて、最後まで大いに楽しめる。

昨年夏に訪れた、松本、諏訪湖もチラッと出てきて、旅情もあって、快い読了感が残った。

はやぶさ新八御用旅(二) 中仙道六十九次 (講談社文庫)

はやぶさ新八御用旅(二) 中仙道六十九次 (講談社文庫)

コメント

  1. ファン より:

    わたしはいま読んでいるところです。確かに新八郎さまはかっこよすぎです。TVでは高島兄さんが演じてましたが、ちょっとちがうよね、という感じでした。お鯉さんはどうなるのでしょうか?あんなに女の人に辛い思いをさせて、ロクな死に方しないゾ~と思うのでした。平岩弓枝さんてすごいですね。「かわせみ」にも実にさまざまな男女が登場し、人間模様が展開して。周りにいろいろころがってるのかなあ。百人いれば、何万ものストリーがある、ということでしょうか。主人公の男の人が口がさけてもいえない秘密を抱えていきなければならないところが、ちょっとうれしいです。女性じゃなくて男性が、というところがね。女性はこの手の秘密が心の支えという感じも共感(!?)できます。
    ブログ楽しみに読ませていただいております。今年も期待しています。