エンターテインメント時代小説で、ヒーローの最高の見せ場の一つが、命を懸けて愛する者を救いに行くシーン。とくに主人公が、囚われの身の恋人を助けに赴くが、邪悪で権力をもつ(ときには好色な)敵が前に立ちはだかる。しかも、そこは警固が厳しく、難攻不落の場所というと、ますますムードが盛り上がる。
今読んでいる『ふたり道三』にも、そんなとっておきの場面が用意されている。テーマ音楽が流れてきそうな感じがして読んでいてワクワクする。
愛する女性を助けに行く時代小説としては、加野厚志さんの『鮫』、上田秀人さんの『破斬 勘定吟味役異聞』、鈴木英治さんの『半九郎残影剣』など、思い浮かぶ。
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