昨日、サッカー日本代表の新しいユニフォームが発表された。今回の特徴は、日本刀の刃文をモチーフに、両脇から腰にかけてライトブルーの曲線が入っていること。日本の伝統として知られる侍をイメージしたもの。
不屈の精神、固い団結力がワールドカップの戦いの中でも表現できれば、うれしいことだ。シャツの右胸に番号が入ったのも、選手のポジションを素早くつかむ上で役立つ改善だと思う。
刃文といえば、今読んでいる『ふたり道三』にも、櫂扇という凄い刀が出てくる。少し長いが描写しているシーンを紹介したい。
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赤松左京大夫政則は、座敷で片膝を立て、前のめりになっている。信じられぬものが眼前に存在することは、瞬きひとつせず異様に輝かせた双眸と、絶え絶えの喘ぐような呼吸とが、歴然と示している。
刀架にのせられた、ひとふりの刀身。
鎬造り、庵棟の刃長二尺九寸五分。身幅広く、腰反り高く、踏ん張りがあって、猪首鋒という豪壮な姿であった。
だが、荒磯の崖っ縁に立って下をのぞき込むときに似て、政則を魔に魅入られたように吸い寄せるものは、その刃文の名状し難い佇まいであろう。
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さらに、この太刀は、背筋をぞくぞくさせるほど妖艶無比であった。
約まれに約まれた鍛え肌は、女のきめこまかい肌と見紛う。刃中に光ってみえる金筋も、日向で風にそよぐ女の曲線上の産毛を彷彿とさせる。鋩子の白気映りに至っては、甘い香りが漂い出そうな美女の吐息を吹きかけて仕上げたのではないか。
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(上巻P57より)
この本では、主人公の刀匠・おどろ丸のほかに、関鍛冶の信濃守兼定(初代)と之定(二代目・和泉守兼定)が登場するので、刀剣ファンも楽しみな物語だ。和泉守兼定というと、土方歳三の愛刀として知られている。
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