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2005-11

幕末維新

ハードボイルドな土方歳三

二十代前半の頃に、ハードボイルドミステリと冒険小説にはまったことがあった。ダシェル・ハメット、レイモンド・チャンドラー、ミッキー・スピレーン、ジャック・ヒギンズ、ギャビン・ライアル、船戸与一、志水辰夫……。不思議と北方謙三さんのハードボイル...
市井人情

市井時代小説に経済小説の面白さ

山本一力さんの『深川黄表紙掛取り帖』を入手する。『損料屋喜八郎始末控え』を読んで以来、ずっと楽しませてもらいご贔屓にしている山本さんの連作時代小説。時代は元禄七年、五代将軍綱吉の治世。生類憐みの令のもとで、どのような物語が展開するか、とても...
幕末維新

西郷隆盛の顔の謎

北方謙三さんの『黒龍の柩』を読んでいる。土方歳三を主人公とした時代小説だが、土方の歴史観が現代的で面白い。個人的には、大政奉還以後の土方の行動と箱館での最期に少し引っかかりを感じていた。新選組に男の美学を求めて散っていった近藤勇とは対照的に...
幕末維新

山南敬助の切腹の真相

北方謙三さんの『黒龍の柩』を読み始めた。土方歳三を中心に、新選組を描いた長編小説である。北方さんの時代小説らしく、年号が記されないまま、物語が進むので、歴史を意識しないで現代ものと同じ感覚で読める。北方さんの時代小説は、短文を畳み掛けるよう...
市井人情

不正建築と時代小説

一級建築士が構造計算書を偽造したことによる、耐震性が基準の1/4というマンションのことが連日ニュースをにぎわせている。マンションの居住者や建築関係者には、生活や人生がかかっているので、なんとも傷ましい思いがするが、あきらめずにがんばってほし...