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こんなのがほしかった!平成時代小説

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『読んで悔いなし!平成時代小説』(辰巳書房)を入手した。文芸評論家の縄田一男さんと「時代劇マガジン」編集部が編集したムックだ。「平成」の17年間に発行された時代小説にこだわったという視点が何よりもいい。その理由の一つを「はじめに」で以下のように書いている。

何冊か「時代小説」のガイド本を読んでみました。そこで思ったことは、紹介されている作品がいわゆる大家と呼ばれるかたの名作が中心で、現在活躍されている作家にはあまりスペースがさかれていないなぁということです。

「平成」という時代が終わったわけではないが、気づきそうで気がつかなかったポイントからの作品選択で、コンテンツが大いに楽しめた。

ジャンル別セレクションは100冊の傑作&名作を9つのジャンルに分けて紹介しているので、面白い本を探している人に最適なガイドになっている。自身のことを振り返れば、ここで挙げられている100冊中57冊しか読んでいなかったので、まだまだだな。

宮部みゆきさん、山本一力さん、佐伯泰英さんといったトップランナーから、『火天の城』の山本兼一さんや『信長の棺』の加藤廣さんなど、信長もので注目される作家へのインタビューも興味深かった。

そのほかにも、「映像化・舞台化された平成の時代小説(ほぼ)完全ガイド」や時代小説の挿絵や装画で活躍されている百鬼丸さんへのインタビューなど、読みどころが多く、時代小説好きを喜ばせるような心配りがされている。

若い時代小説ファンばかりでなく、池波正太郎さん、藤沢周平さん、司馬遼太郎さんの作品を読み尽くして、読む本がなくてとお困りの方にもおすすめしたい。

火天の城

火天の城