荒崎一海さんの『闇を斬る 刺客変幻』を、一気に読了。今回は前作以上にエンターテインメント度がアップし、スケール感がある。
剣の遣い手である北町奉行所の隠密廻り同心が、薩摩藩蔵屋敷近くで殺されているのが見つかった。帯には、「黒子」と書かれた紙切れが隠されていた。同じ夜、本芝一丁目の古着屋に押し込み強盗があり、主と番頭ら五名が殺され、下男の一人が行方知らずになっていた。直心影流団野源之進道場の代稽古を務める浪人鷹森真九郎は、北町奉行所定町廻り同心の桜井琢馬に依頼され事件解決に力を貸すことに…。
そんな中で、真九郎の妻・雪江に読み書き、琴、活花を習っている弟子のおゆみがかどわかされた。
真九郎を次々と襲う刺客たち。国元の宿敵、国老・鮫島兵庫が絡んでいるのか? はたまた、江戸を混沌に陥れようとするなぞの集団“闇”の仕業なのか? 真九郎が揮う直心影流の秘剣・弧乱そして霧月が冴える。
荒崎さんの作品が面白いのは、キャラクター設定とストーリー展開の大胆さとチャンバラシーンの迫力、時代考証の正確さが上げられる。細部まで目配りがされているので、読み味がいい。
法城寺さん、コメントありがとうございます。今回の作品では、前作の備前と鎌倉に加え、手掻派の流れを継ぐ刀工の作である大和と肥後の刀工によって作られた胴太貫が真九郎の差料に加わる。
- 作者: 荒崎一海
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2005/09
- メディア: 文庫
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
コメント
「武士の意気地」や法城寺さんの頁でも紹介いただいてますが、わたくしの御刀(自分のものでも歴史を考えると「御」付けが妥当と思われます)は大和手掻派の包次です。
さっそく「闇を斬る」を読まねば。
愛刀の画像を法城寺さんの「愛刀写真館」で拝見しました。刀については門外漢ですが、刀身も拵えも美しくて人に見せたくなるような逸品ですね。また、日本刀を買うことについてのハードルは、銃砲とは違って高くないようですね。
http://aitouka.hp.infoseek.co.jp/aitou_shashinkan.htm