書院番同心と天保の改革

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えとう乱星さんの『書院番殺法帖』を読み終えた。寝る前に少しずつ読んでいたこともあり、読了までに時間がかかった。

書院番とは、江戸城白書院紅葉間に勤番していたことからその名がつけられ、大番組、新番組、小姓組、小十人組と並んで五番組と称される。書院番は諸儀式を世話役として取り仕切り、有事にあっては将軍の身辺を護ることを本分とした。

書院番は享保以降本丸八組、西の丸四組と定められ、各組には番頭一名、組頭一名、番士五十名がいて、これらは御目見以上の旗本が務めた。またかれらとは別系統で、番頭の手足として働く与力・同心があった。

『書院番殺法帖』の主人公加納左馬ノ助は、書院番同心で直心影流の遣い手という設定。時代は天保十五年、十二代将軍徳川家慶の頃で、天保の改革の失敗により、経費削減のため役人が大幅に減員された。職を失い幕府を恨む元役人たち、その不満が頂点に達したとき、奸臣に操られた暗殺集団が幕府に牙を剥く……。

家慶が凛々しく描かれ、間宮林蔵や勝麟太郎ら著名人も登場する。

書院番殺法帖 (大洋時代文庫)

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