宮本昌孝さんの作品というと、足利第13代将軍義輝の半生を描いた『剣豪将軍義輝〈上〉鳳雛ノ太刀 (徳間文庫)』『剣豪将軍義輝〈中〉孤雲ノ太刀 (徳間文庫)』『剣豪将軍義輝〈下〉流星ノ太刀 (徳間文庫)』が、剣豪小説としても戦国時代小説としても圧倒的な面白さで思い出される。しかし、『剣豪将軍義輝』も含めて、宮本さんは、青春時代小説を得意としている。
『夕立太平記 (講談社文庫)』や『春風仇討行 (講談社文庫)』(『こんぴら樽』改題)など、青春を感じさせる向日性の若いヒーロー(あるいはヒロイン)が活躍し、物語の展開も面白くて、いい読書をしたという余韻が残る。
最新文庫の『夏雲あがれ(上) (集英社文庫)』『夏雲あがれ(下) (集英社文庫)』は、『藩校早春賦 (集英社文庫)』の続編にあたり、固い友情で結ばれた新吾、太郎左(太郎左衛門)、仙之助の三人の七年後を描く青春小説。
武家の若者を描いた青春時代小説というと、藤沢周平さんの『風の果て (上) (文春文庫)』が思い出される。夏休みの宿題を抱える身だが、早く読みたい。
- 作者: 宮本昌孝
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