江戸風俗をテーマにしたエッセーやマンガで活躍した杉浦日向子さんが、下咽頭がんのため、7月22日に死去した。享年46歳。
時代考証家の稲垣史生さんに弟子入りされたこともあり、吉原の遊女や町人、武士など江戸の人々を、粋にまた少し軽妙に描くマンガはとても味わいがあった。『百日紅 (上) (ちくま文庫)(下)』『とんでもねえ野郎 (ちくま文庫)』『ニッポニア・ニッポン (ちくま文庫)』『ゑひもせす (ちくま文庫)』『東のエデン (ちくま文庫)』『百物語 (新潮文庫)』『合葬 (ちくま文庫)』など、いつでも読み返したい名作である。
1993年には、マンガ家を廃業し、江戸研究を中心とする文筆業に専念される。『江戸へようこそ (ちくま文庫)』『一日江戸人 (新潮文庫)』など、江戸学のビギナーには何ともありがたい読み物を執筆されていた。
NHKテレビの「コメディー お江戸でござる」に出演し、親しみやすい語り口で解説されていたのも記憶に残る。現在のシリーズでは石川英輔さんに解説が変わられたが、この頃から、体調を崩されていたのであろうか? 若い頃には、勘当された若旦那、三十代で隠居を目指された杉浦さん、人生を駆け抜けるのがいかにも早すぎる気がして、残念だ。「ソ連(ソバ好き連)」の本も愛読していました。合掌
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