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江戸切絵図にひろがる鬼平犯科帳、雲霧仁左衛門(1)

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7、8年前に江戸切絵図(江戸時代の江戸市中地図のこと)にハマったことがあった。時代小説を読んでいて、現在と違う町名や消えてしまった堀や橋が気になりだして、江戸切絵図を購入して、ピンと来ない場所にぶつかると切絵図を眺めるということをしていた。

その後いろいろと忙しくなり、引越しで片付けたままになっていた。当時愛用していた人文社の『嘉永・慶応江戸切絵図(尾張屋清七板)』を久々に押入れから引っ張り出してみた。開くと時代小説で登場した場所を地図の中に付箋でプロットしていった痕跡が残っていて懐かしい。江戸切絵図というと近江屋板もあるが、五色の彩色がきれいで見やすい尾張屋清七板がビギナーにはおすすめだ。

池波正太郎さんのファンの人には、『江戸切絵図にひろがる鬼平犯科帳、雲霧仁左衛門 (時代小説シリーズ)』と『江戸切絵図にひろがる剣客商売、仕掛人・藤枝梅安 (時代小説シリーズ)』が楽しめる。地図の出版社らしく、作品ゆかりの場所がきめ細かく掲載されていて、見ているだけで物語が思い出される。いつか池波さんや藤沢周平さんのファンばかりでなく、多くの時代小説好きが楽しめる、江戸切絵図ができたらいいなと思っている。