応援している競走馬タップダンスシチーが金鯱賞(きんこしょう)というレースで優勝した。重賞(GII)という大きなレースでの勝利だが、何よりも素晴らしいのは8歳、人で言えば40歳後半ぐらい(?)同期の馬たちはほとんど引退している中で、若々しい活躍を見せてくれたことだ。馬自身のひたむきさとここまで馬を育て上げた関係者に感動を覚えた。
時代小説の中でも、時折、中年のヒーローが活躍する。佐伯泰英さんの『密命』シリーズの金杉惣三郎など、多くのサラリーマン読者の共感を呼んでいる。個人的には、同じ佐伯さんの『酔いどれ小籐次留書』シリーズの方がより外見と中身のギャップが大きくて好きだ。
主人公の赤目小籐次は、四十九歳の中年で、五尺一寸(153センチ)の矮躯に大顔、禿げ上がった額に大目玉、団子鼻、両の耳も大きい。辛うじてしっかりと閉じられた一文字の口と笑うと愛嬌を漂わせる顔が救いという風貌で、お世辞にも格好いいとはいえない。その小籐次は見掛けによらず、伊予の水軍が不安定な船戦で遣う剣術を源とした来島水軍流剣法の一子相伝者であった。この剣法を揮ううちに、小籐次がどんどんかっこいいヒーローに見え、応援したくなるから不思議だ。
明日は、若駒3歳馬(タップダンスシチーより5歳も若い)の日本一決定戦、日本ダービーが開催される。ディープインパクトという皐月賞を優勝した馬が断然の一番人気。どのような走りを見せるのか、結果よりもレースぶりが気になる馬だ。
- 作者: 佐伯泰英
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
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