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けんか凧―暴れ旗本八代目(1)

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井川香四郎さんの『けんか凧―暴れ旗本八代目 (徳間文庫)』を読み始める。井川さんというと、『くらがり同心裁許帳』シリーズなどで活躍する時代小説作家。「銭形平次」や「暴れん坊将軍」「八丁堀の七人」などのTV時代劇の脚本家としても活躍されてきた方らしい。

前から気になる作家の一人だが、帯によると、旗本の親子が活躍する勧善懲悪のようだ。冒頭で、主人公の旗本で大目付の大河内政盛が、歯痛に悩まされるシーンが描かれていて、興味深かった。時代小説で虫歯を描いた作品はこれが初めてである。自分自身、2カ月前に歯肉炎で歯医者通いをしている身なので、政盛に同情してしまう。

江戸時代は、庶民の食文化が現在と違い、貧弱だったこともあり、虫歯の人がほとんどいなかったのだろうか? 一度、調べてみたいテーマである。作品のもう一人の主人公、政盛の一人息子の右京の方は凧揚げ狂いという設定。凧揚げは、冬の風物詩として描かれることが多い。佐江衆一さんの『江戸職人綺譚 (新潮文庫)』では、凧師と呼ばれる凧つくり職人が描かれている。

江戸職人綺譚 (新潮文庫)

江戸職人綺譚 (新潮文庫)

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